ケトン食と癲癇(てんかん)

1997年に公開されたアメリカのテレビ映画「…First Do No Harm」邦題は「誤診」

 

少年ロビーが激しい発作に襲われ、母ローリは息子を病院へ連れていく。

息子は癲癇(てんかん)と診断され、薬による治療が行われたが、今度は副作用に見舞われることとなり、それを抑えるための薬が出される。

しかし薬の量が増えていくのに良くなるどころか悪化していく息子。

たまりかねた母は、図書館に通いつめ、癲癇の専門書を読み漁り、遂にケトン食療法に辿り着く。

しかし、ケトンを試したいという母の切なる希望を医師は一蹴し、代わりに、後遺症として知的障害が起きる可能性がある頭部切開による手術を勧められる。

母から相談を受けた夫は、親友の元医師の力を借りて、ケトン食療法を実施しているジョンズ・ホプキンズ病院でロビーの治療が受けられるように働きかけ、息子を治すというストーリー

 

母親役は、名女優のメリル・ストリープが好演しています。

 

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ケトン体を積極的に用いた「ケトン食療法」。

ケトン体とは、脂肪酸が代謝されてできる物質で、アセト酢酸、B-ヒドロキ酪酸、アセトンがあり、アセトンは呼気に排出されるが、その他はエネルギーとして利用されます。

 

ケトン食は、1921年にメイヨー・クリニックのRussell Wilder医師により提案されたものです。

食事の構成は、

炭水化物 5%(普通食60%

蛋白質 12%  (普通食15%

脂質 83%     (普通食25%

 

普通食は、一般に摂られている食事の構成内容ですが、いかがですか?

これを見ると、食事のほとんどが脂質で構成されていることが分かりますよね。

それに比べて、炭水化物はほとんど摂取しません。

 

 

最近では、このケトン食が見直されており、小児の難治性癲癇のみならず、パーキンソン病や脳卒中、自閉症などにも試されつつあるそうです。

 

期待できますね!!

 

 

ちなみに、題名となった「First,Do No Harm」意味は「何よりも害を成すなかれ」ということです。

 

英米の医学部では卒業生が読み上げることが長年の伝統となっている宣誓文での一節だそうで,医師の介入がかえって何もしないよりひどい事態を招き得るとの戒めのために宣誓させられるようですよ!!

 

考えさせられますよね!!