依存症、HALTに関して
薬物依存にアルコール依存、ギャンブル依存、
買い物依存、ゲーム依存、スマートフォン依存など
「依存」に関する問題を耳にする機会が多くなりましたね。
ニュートラジェンの石井です。
今回は「依存」について考えてみましょう。
依存とは?
そのそも「依存」とは何でしょうか?
辞書を引くと
【他のものにたよって成立・存在すること】とあります。
当たり前ですが、人は一人では生きていけません。
他の人やものに頼って、それらのお陰様で
生きていると言っても過言ではないでしょう。
そして、その中で最も大きな「依存」は
人に対するものでしょう。
人は人に依存し、
その依存をきちんと受け止めて
もらったときに喜びを感じ、
その喜びを与えた人を
信じるようになります。
特に、幼少期の子供は親に依存しながら、
それを満たしてもらいながら子供は成長
していくことが理想です。
それが礎となって、人と信じ合うようになり、
人間関係を広げていけるのです。
歓迎され、大切にされ、愛されながら
自分自身の存在がいかに素晴らしいかを
教えてもらい、成長を信じてもらう。
「生きづらさ」を抱えて生きている人の多くは
親のために我慢や努力などの要求をされて
依存の欲求が満たされない子供時代を過ごして
いる場合が多い気がします。
そして、欲求が満たされないまま大人になると、
成熟した自立ができず、いつまでも人や物に
依存しやすい傾向にあるのではないでしょうか?
依存症とは?
では、ここからは「依存」が過度になった状態
ある物事に依存し、それがないと身体的・
精神的な平常を保てなくなる状態の
「依存症」について考えてみましょう。
依存性とは病気です。
日常生活に支障をきたしているにもかかわらず、
お酒や薬物の使用・ギャンブル・買い物などに
のめり込み、それがやめられず、
自分の力だけではもうどうにもならない
状態です。
昨年の厚生労働省調査では、
ギャンブルで536万人
アルコールは109万人が依存性と推計
されています。
依存症の種類
依存性には大きく2種類あると言われています。
①「物質への依存」と
②「プロセスへの依存」です。
①「物質への依存」
アルコールや薬物といった物質を原因とする
依存症状のことを指します。
依存症のある物質の摂取を繰り返すことに
よって、以前と同じ量や回数では満足でき
なくなり、次第に使う量や回数が増えていき、
自分自身でコントロールができない状態の依存です。
①「プロセスへの依存」
物質ではなく特定の行為や過程に必要以上に
熱中し、のめりこんでしまう症状のことを指します。
どちらの依存も、繰り返す、より強い刺激を
求める、自分自身ではやめられない、常に
そのことが頭から離れないという特徴があります。
依存症になれば体をこわす、家庭崩壊、
社会的信用を失う、犯罪、自己破産など、
すべてを失うことにもなりかねません。
そして、依存症の本人だけでなく
家族や職場などの周りの人の体や心、生活にも
悪影響を及ぼします。
依存症の対処
依存症は、脳内に報酬(ごほうび)を求める
回路ができあがり、コントロール喪失に
陥ってしまい、ほどほどにできなくなる
脳の病気と言われています。
ですから、専門的な対処法が必要と
なってきます。
病気なのだから治療が必要です。
一人や家族で抱え込まずに
専門医療機関や 保健所、
精神保健福祉センターといった
行政機関や、自助グループへの参加、
専門家から適切なアドバイスをもらいながら、
治療することが大切です。
HALT
アルコール依存症からの回復には、断酒継続が
必要です。
断酒継続にはHALTに気をつけろと言われています。
HALTとは、
Hungry(空腹)
Angry(怒り)
Lonely(孤独)
Tired(疲労)
の頭文字を組み合わせたものです。
アルコール依存だけでなく、他の依存でも
HALTはリスク要因になります。
① Hungry(空腹)
空腹時はイライラしてしまいます。
それは体がエネルギーを補給しなさいという
サインです。
今まで、アルコールで糖分を補給していた分
体が欲求するのです。
② Angry (怒り)
怒りはとても強いストレスです。
怒りをうまく沈めるのは、簡単なことでは
ありません。
怒りを押さえつけようとすると、
かえって燃え広がりやすくなるのです。
その炎を一時でも忘れるもの(アルコール)が
欲しくなるのです。
③ Lonely (孤独)
孤独である状態は寂しく、人を求め
やすくなります。
その行動は自然なものです。
しかし、依存症になる多くの人は
人との交流が苦手な人が多く、
人に求めるという
行為を簡単に行えないのです。
寂しさに我慢できず、
依存するもの(アルコール)を
求めてしまうのです。
④ Tired(疲労)
ヘトヘトになってしまっていたり、
エネルギー不足であると、薬物や
アルコールの力を借りたくなってしまいます。
それは、それらが疲れを癒す薬だと学んできて
いる場合が多いのです。
頭ではその方法は良くないと分かっていても、
体が疲れるとそれらが欲しくなるように
なってしまっているのです。
いかがですか、HALT!!
アルコール依存症の回復期でなくても、
お腹がすいたり、疲れたり、イライラすると
少し何かを口に入れたりしたくなりますよね。
衝動買いをしてしまって、後で失敗したと
思うのもこんな時ではないでしょうか?
ということは、依存症は他人事ではなく、
誰もがなる可能性があるということです。
空腹時のイライラが依存性につながる可能性が
あるならば、適切な栄養をしっかり補給する!
イライラが過度に出るということは、
栄養価のない食物ばかり食べていて
体にとって重要な栄養が取れていないと
いうことも考えられます!
怒りを溜め込まず、ストレスと上手に付き合う!
ストレスがあると大量のビタミンや
微量栄養素が体内で使われますよ!
疲れを持ち越さないように
睡眠にも気をつける!
しっかり栄養を摂る。
規則正しい生活をする。
やはり日々の生活を丁寧に送ることが
大切ですねヽ(*´∀`)ノ
孤独・・・・これは自分の状態を
どう見るかで変わってくると思います。
ブッダは、「独生独死 独去独来」と
教えておられます。
生まれてきたときも独り、
死んでいくときも独り、
来たときも独りなら、
去るときも独り、ということです。
それは、ブッダでも、大統領でも
私たちでも同じことです。
誰もが孤独から出発しているのです。
そういった目で周りも見渡せば
街行く人々が同士に思えてきませんか?
誰もが孤独、
だからこそ、人と関わることは
人生の喜びをもたらすと思って
勇気を持って人の輪の中に
入っていこうじゃありませんか?