旬のものをしっかり食べて栄養補給

松尾芭蕉の句に「秋深き隣は何をする人ぞ」とありますが、
栄養の大切さを日々問う仕事をしておりますと
「秋深き隣は何を食う人ぞ」とそれぞれの家庭の食卓が気になってしまいます。

今はスーパーマーケットに行けば一年中様々な食材が手に入り、季節感が乏しくなっています。
しかし、季節の「旬」の食材を取り入れて、食卓を整えることの大切さを
今回はお伝えしたいと思います。

では、なぜ旬の食材を取り入れることが良いのか?

旬の食材は季節にあった体作りのお手伝いをしてくれるからです。
例えば、夏なら体を冷やしてくれますし、梅雨の頃なら水分を体から出してくれますし、
冬なら体を温めてくれるという様に、季節ごとに 起こりやすい不調を整えてくれる効果が期待できるのです。
また、旬の食材は一番の食べ頃なので、美味しい上に、収穫時期でもあるので安い!!!
そして、時期外れの食材に比べると栄養分も最も高い状態にあるので、逃す手はありません。

そこで、秋の旬の食べ物が、どんな栄養を持っていて、どんな効果があるのかをご紹介していきましょう。

冬に向けて気温が徐々に下がっていき、空気もどんどん乾燥していく秋。
私たちの体は、夏の疲れもまだどこかに残したまま、厳しい冬に向けて体を整える必要があります。

そんな秋の食材には、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富なものが多く、また、
くり、さつまいもなどといった「甘味」を感じる食材が出てきます。

秋の野菜たち

秋の野菜たち

ところで、食材には様々な味があります。
それらの性質を知る方法として、漢方では「五味」という考え方があり、
「すっぱい:酸味」「にがい:苦味」「あまい:甘味」「からい:辛味」
「しょっぱい:鹹味(かんみ)」と5つの味があるとされています。
この一つ一つの味に、それぞれ違った働きがあります。

その中で、「甘味」は滋養作用と弛緩作用があり、胃腸の働きを整える作用があります。
夏の疲れのリセットと、 厳しい冬の寒さに備えるためにピッタリですよね。

秋は食べ物が美味しい反面、ついつい食べすぎてしまって「体重が増えて困ってしまう…」
なんて声も聞こえてき そうです(笑)
この時期の食べすぎは、冬に備えるための本能的な欲求なのかもしれませんが、
何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」ですので、お気を付けください。
(石井)

 

おすすめの秋の食材

さんま

さんま

水温が低くなることで、身に脂がのってくる秋刀魚や鯖には、EPAやDHAが多く含まれ、たんぱく質、ビタミンB12、カルシウム、鉄分など栄養バランスも優れています。

 

まったけ

まったけ

食物繊維やビタミンB群、ビタミンDが多く含まれるキノコ類。独特の香りを持つ「松茸」はビタミンD,脂質や糖質の分解などを助けるナイアシンが含まれています。

 

さつまいも

さつまいも

食物繊維やカリウムが豊富ないも類の中でも、さつまいもは、ビタミンC、E、食物繊維が豊富です。いも類に含まれるビタミンCは、加熱しても壊れにくい特徴があります。

 

ぎんなん

ぎんなん

 植物の発芽に必要な成分が蓄えられており、栄養価が高い種実類。銀杏は、木の実の中ではビタミンCとカリウムが多いのが特長で、良質な脂質、たんぱく質も含まれる栄養食品です。