レミニセンス・バンプ(自伝的記憶)
いつも、ありがとうございます。
2022年最後の月を迎え、色々な思い出が浮かんでくるのではないでしょうか?
記憶にはさまざまな種類があります。
その中でも自伝的記憶というものがあります。
自分の人生を思い出したときに、あんなことがいつあった、その時はこうだったと
自分が経験した出来事に関する記憶であります。
それは、その人にとって特に重要な意味を持ち、自分自身のアイデンティティの形成に大きな影響を与えています。
記憶の想起のしやすさは、年齢によって異なり、3歳以前の記憶に関しては、思い出されることが非常に少ないか、思い出せないとされており、これは幼児期健忘と呼ばれています。
反対に人は10代~30代頃の出来事、いわゆる“青春時代”のことがよく思い出されることが報告されており、想起量のピークとなる時期がコブ=バンプのように見えることから、この現象は「レミニセンス・バンプ」と呼ばれています。
(レミニセンスは、「回想」という意味です)
レミニセンス・バンプのはっきりした原因はまだ解明していないようですが、10代~30代頃は、進学、就職、結婚、子供ができたりと強い感情を伴う出来事がたくさんあることと、アイデンティティーが成熟する時期であるため記憶としての重要度が高いとされています。
過去を均等に記憶するのではなく、ある一定の時期を強く覚えていて、思い出すことは、考えてみれば不思議な現象ですよね。
ちなみにレミニセンス・バンプは40歳以上で強化される傾向があり、年齢を重ねるほど若いころの出来事を懐かしく好ましいものとして感じるのだそうです。
確かに、今の流行歌はすぐに忘れてしまうけれど、学生時代に聴いていた曲がかかったら歌えるはずですよね・・・あっ、年がバレてしまいますね(笑)
良い思い出を作ろうと生きることは、より良く生きることだと信じて、来年も精進してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
(石井 恵美)